AI白書2026の所感
2026年8月20日に刊行されたAI白書2026ですが、読むのが遅い上にだらだら読んでしまったこともあり、2ヶ月ほどかけてようやく読み終わりました。今回はその感想や、どんな本なのかを書いていきます。
まず、AI白書とは、AIに関連した多様な動向を総合的に解説した書籍で、2017年から基本的に毎年出版されています。
2017年から2020年まではIPAが編集を主導しており、近年は当初から関わっていた東京大学 松尾・岩澤研究室の協力のもとで制作されています。
もっと古い話をすれば、日本情報処理開発協会(JIPDEC)が1989年から90年代前半にかけてAI白書を出していたそうなのですが、2017年以降のものとは系統が違い、どのくらい繋がりがあるかは調べた感じでは分かりませんでした。
と、ここまでの情報でみなさんはこの本をどういう本だと思ったでしょうか?この本は有名なわりに情報が少なく、また、ビジネス書というジャンルに分類されていたりするので、
読む前の僕のイメージは、偉い方々のAIに関するポジショントークが書かれた本というものでした。
そして実際に読んでみると、ポジショントークは最初の数ページだけで、あとは研究者たちがそれぞれの専門分野について一般人に分かりやすく説明しようと頑張っているような本でした。
正直な感想としては、誰向けの本なのかよく分からないというものです。
例えば、僕のようにAIを使う側の人間からしたら、AIの仕組みについて詳しく書かれすぎている印象を受けます。もちろん、知識欲は満たせるので楽しいです。世界モデルの話なんかは中々好きな箇所です。
逆にその分野の研究職の人からしたら、すでに知っていることばかり書かれている本という印象になってしまうのではないかと思います。
また、営業や役員のようなビジネスマンからしたら、技術の話は難しすぎるように感じました。終盤の法規制まわりの話は結構ためになると思うのですが、それも踏み込みすぎていて読むのがしんどいので、要点だけ楽に知りたい人にはつらいと思います。
総じて、楽しむことはできるのですが、ビジネス書という感じはなく、専門外の人向けに細かく書かれた技術書、つまりディープな入門書という印象でした。 ただ、その入門書として見ても、門外漢には難しく、研究者には物足りず、AIを使う人には細かすぎるという感じで、誰に宛てた本なのかが最後まで分かりませんでした。 しかも、ほぼ毎年刊行され年号がタイトルに付いているため鮮度落ちが早く、少し時間を置くだけで読むのが億劫になる上に内容も重い。万人にはおすすめしづらい書籍と言えます。